GX31ポンプは2台持ってるのですが、片方はメーカー不詳でメカシールが買えず直せませんでした。
放置にはもったいないので刈払い機に改造する事に。
何の事は無い、単純にクラッチとハウジングを買って、別の刈払い機の前半分を組み合わせただけです。
前半分は日工タナカの捨てる寸前のがあったので、それから取って来ました。
本当はもっと太いパイプとシャフトで設計されてると思うので強度不足のはずですが、中国には色々な需要があるようで細いシャフト用が売ってます。
パイプ径が28mm対応だったので、内径24mm・外径28mmのパイプを買ってきて変換。
少しでも強度確保のため、割り無し部分を長めに残してブレース的にしました。
しかしどうしても重量バランスが狂い気味になるので、もうちょっと短くて良いかもしれません。
クラッチはGX35用の中華ですが、明らかに違うボルトが入って来たのでそこだけ純正に。
エンジン自体は10年くらい前に自分でバラした事があるんですが、オイル漏れが酷すぎるのでやり直しました。
あまりにも汚かったので清掃前の写真は無し。
4年くらい前にもやり直そうとして部品を買ってあったので、今は出るのか分からない物もありますが一応画像も載せていきます。
パーツリストはCMSの動力機器の項からGXシリーズを探せば出て来ます。
中国にも139Fというコピーエンジンがあるようで、アリババで探すと部品が結構ありました。
困ったら買いますが、今回は必要なかったです。
とりあえずバラバラからスタート。
燃焼室のカーボンは残ってますが、このまま行きます。
バルブは当たり幅1mm程度だったので再使用です。
排気側ガイドが微妙に楕円になっており心配ですが、オイル煙は出なかったので大丈夫という事にしよう。
バルブスプリングは非常に弱いので、指で圧縮してリテーナー入れられます。
ホンダのプレスリリースではユニブロックシリンダーとしか書いてませんが、多分アルミ地肌ですね。
リング跡は少し付いてますが、他に目立つ傷も無いのでOKという事で。
シリンダー地肌に対してピストンはメッキで、少し剥がれてますが再使用で。
トップリングはメッキ掛かってるみたい。
ピストン径は39mmですが、ピン径が8mmで小端に圧入でした。
あえてバラす意味も無いので外しませんが、中華139Fだとフルフローで8mmクリップ留めになってますので分解しやすいです。
しかしあれは地肌ピストンなので耐久性は未知数ですが。
前後クランクシールも替えておきます。
液ガスはシルダーシルバーが何にでも使えて便利です。
少し乾かしてから組み立てると密着性アップと信じて。
ケース下部のアルミ板がとてもよく歪むんですが、これ廃盤は痛いなぁ~。
今回の漏れ箇所も主にここで、既に工場組立時の締付けで歪んでいる箇所だと思われ、10年前の分解でトドメを刺したと。
仕方ないのでバイスでまぁまぁ平らにしてからペーパーで面出しして再利用。
中華139Fの補修部品でなら買えますが、どうにか物になったようなので見送りました。
中華だとここ用のガスケットが付いてくるみたいですが、アルミ板自体の肉厚を増せば解決すると思います。
GX25・35だと一体成型で根本的解決になってる箇所ですね。
液ガスは乾き気味になってから組むとはみ出し具合もマシになります。
ケースボルトは廃盤で10マークなので、適当なのには出来ませんので再利用です。
中華139Fは普通のボルトのようですが、中国基準なので…
カムは本来デコンプ付きなのですが、10年前に外したようで…なぜ取った?
まぁ大した圧縮でもなく、始動には苦労しなかったのでもういいです。
稼働時間が短いので摩耗はほぼ無し。
クランクのキー溝が真上で上死点なので合わせておきます。
カム室内左右に出っ張りがあるので、カム自体の横線に合わせて組めばタイミングOKです。
これの多少デカい版がCG125かぁ~、どうでもいいですが。
フロントカバーは液ガスですが、中華139Fはガスケット付くみたい。
ここはクリアランスもあるので液ガスの方が良いと思います。
クランクシール前には防塵用カバーが付きます。
クランク回しやすいようにフライホイールを仮付けしますが、本締めしてもOKです。
プッシュロッドはリフターとアジャストスクリューの凹みにしっかり入れるよう注意。
タペットは北米仕様のマニュアルによるとIN:0.12±0.02mm・EX:0.15±0.02mmとの事だったので調整。
とりあえず開口部にフタをしておこう。
ロッカーカバーのボルト長に注意と、プラグ箱の字が小さいですがCR5HSBです。
10年前の自分のようにCR6HSAでも良いかもしれませんが、ヒョウタンが必要なので専用プラグ買っとけば間違いないです。
レベルゲージも新旧GX共通で漏れやすいので交換。
せっかくフライホイールを直接掴める時なので、クラッチを組んでおきます。
ついでに反対側のファンとスタータープーリーを締めますが、スタート時に必ず締まる方向なので大した締めトルクは要りません。
点火コイルの隙間は0.35mmで取りました。
この時点でファンカバーは付けて置いて大丈夫です。
ロッカーカバーに配線クリップがありますので、先に停止スイッチ線をはめてからプラグコードを通します。
プラグコードを本体カバーの開口部に通す必要があるので、キャップはまだ付けません。
マフラー側から先に終わらせておきます。
ボルトはまたも廃盤だったので代替品を取りましたが、4マークでした。
元は10マークなので、折れちゃったら困るので再使用で行きます。
マフラーにガスケットの設定はありませんので、遮熱版を挟んで直付けします。
中華139Fにはあります…ガスケット好きだな!
最後はマフラーカバーを付けてこちら側は終わり。
続いて吸気側。
導風板やインシュレーターは変な加工をしちゃったので交換します。
部品袋取り忘れたので部品番号。
インシュレーター:16211-ZM3-U30
ガスケット:16212-ZM3-000
ボルト5×32:90112-ZM3-U30
ボルト5×75:90010-ZM3-000
導風板下スクリュー5:90894-0501000
ブリーザーホースは廃盤なのでバルク品を切って使います。
キャブ裏ガスケットの穴にホースが通りますので注意。
キャブ・内側エアクリとトラッププレートを付けたらナットで締めます。
ナットフランジ5mm:94050-05000
ちなみにキャブはGX31用中華をそのまま付けました。
なぜか調整スクリューが増えてるキャブでしたが、メインとニードルをちょっと濃くしたらまともに動きました。
ここまで付けたら本体カバーを付けられます。
タンクのグロメットはどんなエンジンでも痩せるので交換した方が良いです。
防振ゴムとステーでタンクを挟んでおき、リコイルを付けて固定して完成と。
中華キャブはニップルの向きが違いますが、ホースを長めに取れば無理なく取り回せます。
ステッカーは別に無くてもいいよね。
この後前半分と合体して刈払い機となりました。
タンクに出っ張りがありますが、肉厚が薄いので足を付けた方が良いです。
純正の足が良かったのですが、部品番号がCMSでは見れなかったので自作で付けました。
完成後は草刈りで活躍してますが、重量だけはどうしようもないので鍛えるしかないな。
以前ポンプだった時は純正キャブを直しつつ使ってましたが、なぜか5分程度定速で回すといきなりエンストしてしまい調子が悪かったです。
リターンホース内が空になるので燃料吸い上げが上手く行かないのか?と思ってましたが、今の中華キャブでも同じく空になりますが絶好調です。
純正ガスケットで組んでいたので流路も問題無かったはずなのですが、結局純正キャブでは直せなかったです。
GX25刈払い機の修理でも全く同じ症状から直せなかった事があり、もしかして4スト系キャブの持病なのかな?
中華キャブが意外と悪くない事が判明したので、今後似たような修理があったらキャブごと替えちゃうのが手っ取り早いのかもね。
以下余り画像。
遮熱版。
クランクシール防塵カバー。